
biceが亡くなって今日で1年が立ちました。火葬場で彼女を見送ったこの僕でさえ、まだbiceが「ただいま」なんて家に帰ってきそうな気がして、信じられない日々が続いていたので、ファンの皆さんも同じくとても信じられない気持ちだと思います。
biceは眠るように亡くなりました。その顔はとても安らかで美しかったです。葬儀は相談の結果、家族だけで行わさせて頂きました。僕はその葬儀で彼女へ感謝の手紙を読んで、棺の中にbiceがライブでよく着ていたお気に入りの衣装と一緒に入れて最後の見送りをしました。止めどなく涙があふれました。
その数週間後、有志の方々が中心になってbiceが好きそうな渋谷のカフェを貸し切って「biceを送る会」をとりおこなってくれました。会場の関係で、biceの今までお世話になった仕事仲間や友達の方しか呼べませんでしたが、200名もの人が来てくださって、とても素晴らしい見送りができました。有志の方々、そして来て頂いた皆様に感謝の気持ちとともに、biceはこんなにも多くの仲間や友達に愛されてて、本当に幸せだったんだなと救われた気がしました。
そしてファンの方には何もできなかったので、ずっと申し訳なく思ってました。そのかわりにはならないかも知れませんが、今回の一周忌のタイミングで、追悼サイトという形で少しですがbiceの未公開写真や未公開のライブ映像などを公開した次第です。
biceは以前、渋谷に住んでいたのですが、その場所にとてもこだわっていて「なぜだろう?」と当時は思ってました。「biceを送る会」の当日はbiceの元マネージャーである篠崎さんが、僕とbiceの位牌を迎えに車で自宅まで来て頂き、渋谷の会場へ向かいました。道中、篠崎さんの計らいでbiceが20代、音楽の仕事を始めた最初の頃から、いろいろな事務所で仕事をしていたことを、その職場である渋谷や原宿のいくつかのビルの前を車で通って話を聞かせてくれました。「ここで毎日のようにbiceは曲を書いていたんですよ」篠崎さんはビルを指しては、懐かしそうに教えてくれました。 その時に分かったんです「ああ、彼女はこの場所が自分の音楽の原点だったんだ」なって、「だからこの付近に住みたかったんだろうな」と。
biceは何事も思ったら真っ直ぐどこまでも突き進む人でした。子供の頃から音楽を好きになり、努力をしてミュージシャンになるという夢をかなえた、そんな彼女の若い頃が目に浮かびます。それを実現した彼女自身の類まれな才能やセンス、努力…そして、そんな若くて無邪気なbiceを温かくサポートし助けてくれたご両親、多くの関係者、友人たち。そんな音楽と仲間に愛されたbiceの生涯をあらためて実感できました。
38歳という短い生涯でしたが、自由に音楽もやって、やりたいように生きれたと思います。biceはとても可愛く、面白い人でした。音楽の才能は豊かでしたが、反面、その生き方は不器用で、危うげで、キラキラするオーラをまといながら、どこか寂しげな表情も持っていました。それがbiceの魅力でもありました。
お洒落で、真面目で、おっちょこちょいで、頑張り屋で、ひょうきんで、思いやりのある優しい人でした。僕はそんなbiceを心から尊敬しています。本人には言ったことなかったけど、biceのように生きれたらいいな、なんて、そばにいてうらやましく思ったものです。
ピアノやギターはもちろん楽器はなんでも弾けました。家で思いついてはレコーダーにメロディを吹き込んで、楽譜に音符を書いてました。ギターやキーボードを弾いて、作った曲の感想を聞かれることもありました。
いつか僕がbiceに「自分はアーティストなのか?」と質問したら「私は音楽家」と答えた記憶があります。音楽家としてのプライドやプロ意識はとても崇高でした。
そんなbiceに出会えて結婚できたことを、僕はとても誇りに思っています。
それから、biceはとてもファン思いで、ブログを見ての通り、いつもファンを気にかけてました。亡くなった今、彼女が天国にいるとしたらきっとファンには「ごめんね!」なんて言ってることでしょう。「でも、元気出して、私は元気だよ。こっちで音楽やってるよ!」なんてギターを弾いてるんじゃないかな。本当にそう思います。
biceにはもう会えません。しかし、彼女はたくさんの素敵な曲を残してくれました。ファンの皆さんも時々彼女の曲を聴いて、心の中で彼女を生かし続けてあげてください。たぶん、それが1番bice本人が喜ぶんじゃないかなと思います。
最後になりましたが、biceのファンの方、仕事でお世話になった方、お友達。そして彼女を生み育ててくれたご両親とご家族の方に感謝し、biceの一周忌の挨拶とさせて頂きます。
biceが自分の結婚式でピアノの弾き語りに選んだ彼女の代表曲「包んであげる」。
『包んであげる ぎゅっと ぎゅっと』
優しく、一生懸命に歌ってました。
biceが安らかに眠れるよう、
今度は僕らが彼女の思い出と音楽を包んであげようと思います。
2011年7月26日 来嶋勇人